「6月23日と参議院議員選挙と憲法のこと」
令和4年7月10日は、参議院議員選挙の投票日です。本来なら公示日は6月23日となるのですが、今回は1日前倒しで6月22日となる予定です。
(基本的に参議院議員選挙は17日間)
なぜ1日前倒しとなるのか。それは、6月23日は「慰霊の日」だからです。
今から、77年前の昭和20年、大東亜戦争において日本で唯一地上戦が行われた沖縄で多数の戦争犠牲者が出ました。その年の8月15日、玉音放送により戦争終結が宣言されました。この凄惨な痛みは、決して忘れてはなりません。先人の尊い犠牲と戦後の弛まぬ努力により日本は世界に冠たる国家として平和と長寿と豊かさを享受することができました。
沖縄県では「慰霊の日」として条例が制定されています。

その後、日本はGHQ占領下で国の立て直しが行われることとなります。しかし、実質的にはアメリカの占領下でありました。そして昭和21年11月に日本国憲法が制定されますが、憲法の起案はGHQがたった1週間で作成したものであり、日本にとって国家再生の未来を国や国民が描いたものではありません。
更に、GHQの支配は続きます。昭和25年に朝鮮戦争が勃発します。後の韓国と北朝鮮に分断される戦争です。この時GHQは軍を解体させた日本に対し、警察予備隊を作れと命じます。この組織が昭和29年に自衛隊法制定のうえ、自衛隊となります。自衛隊は、このようにGHQが作らせた組織なのです。この際、憲法改正を行い自衛隊の存在を明記すべきでした。今も昔も自衛をしない国なんてこの世に存在しません。平和を希求するからこそ自分たちを守るための防衛組織である自衛隊が最低限必要なのです。それから68年間、憲法に明記されない自衛隊は、時には存在を否定され、時には災害救助に出動し、時にはPKO活動にも参加しています。明らかに国家国民を守るために、あらゆる有事に出動する自衛隊は、国の最高法規である憲法に明記がないことこそ不自然であり問題であるといえます。
こうした歴史背景の中、昭和30年に保守政党の大同団結で自由民主党が設立されました。
自民党の1丁目1番地は、自主憲法の制定でありました。当時の情勢から考えれば極めて当たり前のことであったと推測します。経済を成長させ、国民への富の分配、日本の更なる発展に保守的思考の民主主義は希望のシンボルといえると思います。

日本国憲法は、昭和21年に制定されて以来、一度も改正されたことはありません。
自主憲法の制定を掲げた自民党が設立されて67年経ちますが未だ実現されていません。
しかし、当時と比べたら今の日本の情勢、世界の情勢は比較にならないほど変わっています。最近では、世界を震撼させたコロナウイルスという緊急事態、ウクライナへのロシアによる軍事侵攻、北朝鮮が定期的に発射させるミサイル、中国は尖閣列島を狙っています。
人口減少社会となり、地域格差が叫ばれ、義務教育だけでは子どもたちの未来に足りないものがあります。エネルギーや食糧なども未来に不安があります。環境権だって必要です。今こそ、危機に対応し多種多様な社会に寄り添う憲法が必要です。
憲法改正は、衆参両院にてそれぞれ3分の2の賛成が必要でかつ、国民投票による過半数の賛成が必要です。国会議員だけでは変えられません。国家の主権者である国民が変えるも変えないも決める権力があるのです。
この国の未来永劫の繁栄と平和と長寿と豊かさを享受し、子どもたちの未来に私たちが「道」を用意する責任があると思います。
そんなことを考えるための参議院議員選挙になればいいと思います。
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